M.A. アストゥリアス 『グアテマラ伝説集』
「ノーベル文学賞」と検索して、受賞者一覧を見てみる。そのうちから小説部門での受賞者を見ていく。数人をピックアップして作品を調べる。その内の一冊が『グアテマラ伝説集』だった。
内容はマヤ神話に基づいた伝説が、導入部のグアテマラと共に、ノーベル文学賞並の緻密さで色彩豊かに描かれている。
- グアテマラ
- 「金の皮膚」の回想
<伝説集>
- 「火山」の伝説
- 「長角獣」の伝説
- 「刺青女」の伝説
- 「大帽子の男」の伝説
- 「花咲く地」の財宝の伝説
- 春嵐の妖術師たち
- ククルカン —羽毛に覆われた蛇
導入と各伝説はとても良かった。表現の一つ一つに驚き、古代マヤ文明の空気、自然、人々が感じられた。
森は海の延長のように大地にくいこんでいた。流れる大気は、光が明暗をつくっている森の表面では青く透きとおり、内部では果実の緑に澄んでいた。
(『「火山」の伝説』より)
ククルカンの物語だけ、内容がさっぱり掴めず、わけがわからなかった。戯曲の形式を取って儀式を行っているのはわかった。でも、半分が「クワック」や「朝から昼、昼から夜、夜から朝」や「わたしは太陽のごときもの!」などの意味深な掛け声で満たされていると「ほーん。」ってなる。
戯曲じゃなければ、この人の文章はまた読みたい。マヤ文明に浸りたくなったら他の本にも手を出してみようと思う。