ふかわりょうさんの新聞記事を読んで
ツイッターで見かけた、ふかわりょうさんの新聞記事「いいねなんて、いらない。」、カメラを置いていく理由として
撮ることに気を取られて、旅を楽しめなくなっていることに気付いたから。
(「いいねなんて、いらない」
2017.8.19 東京新聞より)
私もそう思ったことがあることを思い出した。
国立新美術館のミュシャ展に足を運んだときのことだ。基本的に絵は撮影禁止で、立ち止まってゆっくりと作品を楽しむ作りになっていた。一部、撮影可能な絵があった。その絵の前では、より長く立ち止まりレンズ越しに絵を見て、いかに綺麗に写真に収めるかに集中している人が多かったように感じた。巨大な実物の目の前の絵を見る数分間、家に帰って写真のなかの絵を見る数分間、どちらを大切にするべきなのだろうか。なんだか勿体無いことしてる人達だな、と思った。
最近大切にしていることは、場面の特殊性を尊重することだ。美術館に行くのは絵を見るためだ。写真を撮るよりも絵を見ることを優先する。美術館には、素晴らしき絵があるという特殊性がある。観光地に行けばそこでしか見れないもの、食べられないものを見たい食べたい。友人と何処かへ行くなら、LINEを返してtwitterを見るのではなく、友人と会話していたい。当たり前の考えなのに、私もいまいち実行できていないように思う。
「今しなくていい」と思うことをしないよう心がけることで、貴重な時間、貴重な体験をそっくりそのまま原寸大で捉えることが出来ると思う。
切り取ってよ、一瞬の光を
写真機は要らないわ
五感を持ってお出で
(東京事変「閃光少女」より)