本を紹介し、近代文学・現代文学・海外文学の感想を書きます。雑感も書きます。

海の中で息をして

近代文学、現代文学、海外文学の感想を書くブログ

これでいいのだ

この選択肢を僕が最良の選択肢にする これでいいのだ

人生に意味はない

人生の意味をずっと考えてきた。 私はなぜ生きる?何のために生きる?何をするために生きる?どうやって生きたい?どうやって死にたい? 現段階での答えは、人生に意味はない 私はこれをするために生まれてきた!なんて劇的に生きる人生、悪くない。 今は妻(…

武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり

"武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり" 死ぬ気で生きてみろ、ってことらしい 死ぬ気で頑張ってみても上手くいかないことばかりだし、頑張ったことすら評価されずに、むしろ頑張ったことで評価が下がることもある 真っ直ぐに進むことは、正義ではない? ひたむ…

深夜から早朝にかけて

お腹の膨れた朝焼けを食べる虫を見つけた きっとしばらく朝焼けと会えないだろう

行く年来る年

行く年来る年 行く月来る月 行く週来る週 行く日来る日 行く時間来る時間 行く分来る分 行く秒来る秒 行く一生来る一生

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

カズオ・イシグロ氏は2017年にノーベル賞を受賞した。原題が「Never let me go」で、なんとなく面白そうだから入門として買った。ノーベル賞受賞者だけある、そう感じる作品だった。 この作品は是非とも前知識、ネタバレなしで読んで欲しい。映画の予告編、…

山崎ナオコーラ『可愛い世の中』

付き合うことは、自分と相手が違う人ってことを知ることだ、みたいな文を読んで、なるほどなぁと思ったことがある。自分が好きなことが相手も好きとは限らない。それに気づくまで、ちょっと時間がかかる。 山崎ナオコーラさんの作品で、表紙がシンプルで、タ…

もので自分を飾る人は大したことない

高いものを身につけても、凄い人にはなれない。もので自分を飾っても、自分は変わらない。 ブランド品を身につけて、自分に自信がつく。自分の存在が大きくなった気になる。物を持つだけで自分が大きくなる。それは、それだけ元が小さな人だから。基本的な能…

村上春樹『風の歌を聴け』

村上春樹氏の処女作。そう聞いたら、知らずに読んだ人は納得するだろう。「確かにこれは処女作だ。」 本屋さんに立ち寄り、立ち止まってスマホで検索する。村上春樹 おすすめ。手軽に読めて、かつ確固として文学な小説を読みたい。黄色地に赤色のペンで書か…

村上龍『イン ザ・ミソスープ』

村上龍の作品の中で、過去に「コインロッカー・ベイビーズ」と「限りなく透明に近いブルー」を読んだことがあった。突拍子の無さが現実と絡み合う心地よさ。グロテスクな表現と衝撃的なセックスが印象深かった。現実感の無いぶっ飛んだセックスを読みたい気…

僕は選択を愛してる

友人とご飯を食べるとき、「中華はどう?」「とんかつは?」「洋食屋は?」なんて聞くことがある。いいねと言われてご飯を食べる。「ラーメンは昨日食べたからなー」と言われると、ラーメン以外の物を提案する。 僕はどうしてもこれが食べたい!って日でなけ…

モリエール『人間ぎらい』

戯曲には、喜劇と悲劇があるらしい。一般的には『人間ぎらい」は喜劇らしい。あとがきによると、喜劇を悲劇にまで掘り下げた作品らしい。 主人公のアルセストは、正義を貫く者である。事の正しさ、自分の気持ちを重んじ、他人の気持ちを顧みない。自分の気持…

スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』村上春樹訳

村上春樹『ノルウェイの森』を読んだ時から、いつか読もうと思っていた。だから、「一ページとしてつまらないページはなかった。」そう刷り込まれて読んだ感想に過ぎない。 全てのページを素晴らしく感じる人は、全てのページを一度読んだ人だ。景色の意味、…

勉強の形を想像する

最近、勉強をしていると単語が頭にスッと入ってくる感覚がある。勉強はあまり気が進まないが、頭にスッと入ってくる感覚は楽しい。 近いと思う感覚は、本棚に本を並べる感覚だ。特に、本の間にピッタリ差し込むときの感覚。楽しい、気持ちいい、スッキリした…

僕は「あけましておめでとう」と何を祝っているのか

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。 初日の出は見なかった。今日は日の目すら見た気がしない。去年はわざわざ海に行って誰ともなく他愛もない歓声をあげたというのに。 実家で母の作った雑煮を食べた。小松菜をしょうゆとダシで…

アントニオ・タブッキ『遠い水平線』

スピノザは、イベリア系のユダヤ人で、目のなかに、遠い水平線をもっていた。われわれが動くと、水平線も動く。だから、水平線とは、幾何学的な表現だ。私の登場人物も、なにかの魔法で、水平線に到達してくれたことをこころから祈っている。彼もまた、遠い…

川端康成『古都』

移りゆく季節の中で、木々の姿も京都の色も人の心も変化していく。由緒ある祭は晴れやかに京都の街を照らす。灯りと共に心も揺らめいていた。 主人公の千重子は捨て子であった。裕福な家庭に拾われ、あまり苦労することなく暮らしていた。祇園祭。千重子は出…

住野よる『君の膵臓をたべたい』

作品名を見たときから気になっていた。あらすじを読んでみた。膵臓、病気、君の膵臓をたべたい。読まなくてもいいかな、と思った。文庫版が発売され、買った、読んだ。読まないと決めた時の僕は、もう10ページ読んで出直してきた方がいい。 「肝臓が悪かった…

夏目漱石『それから』

主人公の代助は親から金を貰い働かずに生活をしていた。知識人であった。いつも本を読み、友の翻訳の頼みがあれば相談に乗った。金も時間も自由もあった。意思はなかった。 あらすじを意識せず本文へ入った。この作品は裏表紙、あらすじにある通りの「悲劇」…

ふかわりょうさんの新聞記事を読んで

ツイッターで見かけた、ふかわりょうさんの新聞記事「いいねなんて、いらない。」、カメラを置いていく理由として 撮ることに気を取られて、旅を楽しめなくなっていることに気付いたから。 (「いいねなんて、いらない」2017.8.19 東京新聞より) 私もそう思っ…

M.A. アストゥリアス 『グアテマラ伝説集』

「ノーベル文学賞」と検索して、受賞者一覧を見てみる。そのうちから小説部門での受賞者を見ていく。数人をピックアップして作品を調べる。その内の一冊が『グアテマラ伝説集』だった。 内容はマヤ神話に基づいた伝説が、導入部のグアテマラと共に、ノーベル…