本を紹介し、近代文学・現代文学・海外文学の感想を書きます。雑感も書きます。

海の中で息をして

近代文学、現代文学、海外文学の感想を書くブログ

2018-01-01から1年間の記事一覧

山崎ナオコーラ『可愛い世の中』

付き合うことは、自分と相手が違う人ってことを知ることだ、みたいな文を読んで、なるほどなぁと思ったことがある。自分が好きなことが相手も好きとは限らない。それに気づくまで、ちょっと時間がかかる。 山崎ナオコーラさんの作品で、表紙がシンプルで、タ…

もので自分を飾る人は大したことない

高いものを身につけても、凄い人にはなれない。もので自分を飾っても、自分は変わらない。 ブランド品を身につけて、自分に自信がつく。自分の存在が大きくなった気になる。物を持つだけで自分が大きくなる。それは、それだけ元が小さな人だから。基本的な能…

村上春樹『風の歌を聴け』

村上春樹氏の処女作。そう聞いたら、知らずに読んだ人は納得するだろう。「確かにこれは処女作だ。」 本屋さんに立ち寄り、立ち止まってスマホで検索する。村上春樹 おすすめ。手軽に読めて、かつ確固として文学な小説を読みたい。黄色地に赤色のペンで書か…

村上龍『イン ザ・ミソスープ』

村上龍の作品の中で、過去に「コインロッカー・ベイビーズ」と「限りなく透明に近いブルー」を読んだことがあった。突拍子の無さが現実と絡み合う心地よさ。グロテスクな表現と衝撃的なセックスが印象深かった。現実感の無いぶっ飛んだセックスを読みたい気…

僕は選択を愛してる

友人とご飯を食べるとき、「中華はどう?」「とんかつは?」「洋食屋は?」なんて聞くことがある。いいねと言われてご飯を食べる。「ラーメンは昨日食べたからなー」と言われると、ラーメン以外の物を提案する。 僕はどうしてもこれが食べたい!って日でなけ…

モリエール『人間ぎらい』

戯曲には、喜劇と悲劇があるらしい。一般的には『人間ぎらい」は喜劇らしい。あとがきによると、喜劇を悲劇にまで掘り下げた作品らしい。 主人公のアルセストは、正義を貫く者である。事の正しさ、自分の気持ちを重んじ、他人の気持ちを顧みない。自分の気持…

スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』村上春樹訳

村上春樹『ノルウェイの森』を読んだ時から、いつか読もうと思っていた。だから、「一ページとしてつまらないページはなかった。」そう刷り込まれて読んだ感想に過ぎない。 全てのページを素晴らしく感じる人は、全てのページを一度読んだ人だ。景色の意味、…

勉強の形を想像する

最近、勉強をしていると単語が頭にスッと入ってくる感覚がある。勉強はあまり気が進まないが、頭にスッと入ってくる感覚は楽しい。 近いと思う感覚は、本棚に本を並べる感覚だ。特に、本の間にピッタリ差し込むときの感覚。楽しい、気持ちいい、スッキリした…

僕は「あけましておめでとう」と何を祝っているのか

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。 初日の出は見なかった。今日は日の目すら見た気がしない。去年はわざわざ海に行って誰ともなく他愛もない歓声をあげたというのに。 実家で母の作った雑煮を食べた。小松菜をしょうゆとダシで…